ITの普及によって様々な情報がデータとして管理されるようになり、セキュリティ漏洩が起きる危険性が増幅している昨今。
日本年金機構がサイバー攻撃を受け、年金受給者や加入者の住所・氏名・年金番号などの個人情報が約125万件流出したという問題は、まだ記憶にあることでしょう。
日本年金機構では、個人情報が保存されているサーバーはインターネットと通じていなかったものの、そこから職員が情報をダウンロードしたパソコンがインターネットに接続していたため、サイバー攻撃されてしまいました。
流出した個人情報の約125万件のうち、4割以上にあたる約55万件は、データにパスワードをかけていなかったそうです。
また、ダウンロードした情報は削除することとされていましたが、守られていなかったようです。
システムによるセキュリティをいくら強化しても、それを使用する側のセキュリティに対する認識が不足していれば、今回の日本年金機構のような問題が発生してしまいます。
セキュリティ対策システムの向上だけに頼るのではなく、まずはシステムを使用するユーザー個々人の、セキュリティに対する認識と対策を改めて見直す必要があると思われます。
GISと呼ばれる位置情報システムは、衛星の打ち上げによって実現され、衛星からの位置情報と地図情報を重ね合わせた様々なサービスが開始されました。
位置情報サービスが一般に広く知られるようになったのは、Googleマップと携帯電話の普及によるものと言えるでしょう。
携帯電話に組み込まれているGPS機能により、リアルタイムで位置情報を得ることができるようになったため、目的地までの道案内やカーナビなどで便利に利用できるサービスとして、すでに身近に浸透しています。
近年では、IoT(Internet of Things)の出現により、位置情報サービスがさらに進化しています。
「Internet of Things」は「モノのインターネット」と訳され、飛躍的に広まってきています。
IoTはパソコンだけでなく、自動車や家電などの様々な「モノ」に、通信機能や計測機能などのセンサーを取り付けてデータを収集し、収集したデータを分析してインターネットで送受信する仕組みです。
自動車の位置情報をリアルタイムに収集して渋滞情報を配信するシステムや、外出先からエアコンの電源を操作するシステムなどが、IoTが可能にしたサービスです。
IoTを活用することによって、これまでできなかった建物の中での人や物の位置情報の収集が可能になり、その情報を分析して活用する新たなサービスも提供されています。
例えば、飼猫の首輪にセンサーを付けて、留守中の猫の動作を携帯電話で受信したり、商業施設など複雑な建物の中でのフロアや道案内をするなどのサービスがあります。
IoTは、今までの位置情報サービスをさらに詳細に、そして使い勝手の良いサービスへと進化させているのです。